小説を書くのは楽しいけれど難しいですよね。
初めて書く場合だけでなく、そこそこ経験値がたまってきても、なかなか「これだ!」という書き方にはたどり着けないもの。
僕は何度か最終候補に選んでいただいていますが、何も参考にしなかったのは最初の数作だけ。途中からは小説の書き方指南本のような書籍を参照してきました。
初めてでどうしていいかわからない、何度挑戦しても一次選考を通過しない、予選はある程度通過できるけれど最終候補にはなれない、最終候補には残るけれど受賞できない。
さまざまなレベルの方がいると思いますが、目指すところはひとつ。
小説を書き続けること。
アマでもプロでも、それは変わらないことです。とにかく書く。しかしただ漫然と書くだけだったり、自己模倣を続けたりしても意味はありません。
試行錯誤をするのは応募者本人なのですが、ちょっとしたヒントやアドバイスさえあれば、さらに良い作品を書ける可能性を秘めている場合だってあります。
僕はそんな思いを抱きながら、書き方本を読んできました。その中に「役に立ったなー」と思える本がいくつかありましたので、おすすめの本として紹介したいと思います。
小説を書き続けるために、これらの本が参考になれば幸いです!
1冊目:「物語」のつくり方入門 7つのレッスン
まずは入門編です。
「物語のアウトライン」「主人公や敵対者等のキャラクター作り」といった項目をレッスン形式で説明。
かなり丁寧に書かれており、初めて小説を書く人にも参考になるのではないでしょうか。
逆にある程度経験を積んだ方でも、自分が取り組んできた方法を確認できたり、説明されていることが「ああ、そういうことか」と膝を打つシーンもあることでしょう。
僕は結構経験を積んだ後に読んだのですが、「なるほど~」と思えることが多かったです。
2冊目:書きあぐねている人のための小説入門
芥川賞作家・保坂和志による、こちらも小説入門書。
「小説を書くときにもっとも大切なこととは?」という考え方から説明していく良著。
いわゆる技術論というより、創作の根幹にあるものを語ります。この本を読んで、高い視座に立ち、大きな志を持って執筆に臨めるようになりました。
3冊目:シド・フィールドの脚本術
映画の脚本についての創作論です。
小説を書く際にも大いに参考になる項目が多く、とても役に立ちました。
・主題(テーマ)を作る
・キャラクターを創造する
・ストーリーと人物設定
・エンディングとオープニングをつくる
・ストーリーラインを構築する
など、全17章によって解説され、「物語」を作るために必要な情報が整然と詰められています。どんな立場の応募者でも一度は読んでおきたい本でしょう。
4冊目:ベストセラー小説の書き方
アメリカのベストセラー作家、ディーン・R.クーンツによる指南本。
自作の文章を例に出しながら、丁寧に解説しています。プロットや会話、アクションシーンといった項目は多岐にわたり、実践的な内容になっています。
さすがといった表現や構成になっており、具体的に役立つ部分が多いのではないでしょうか。
ただアメリカの事情に与した本ですので、そのあたりは加味して読みましょう。
5冊目:小説講座 売れる作家の全技術
人気作家・大沢在昌が『野性時代』誌上で連載していた小説講座を、一冊の本にまとめた書籍です。
実際に講義を受ける小説家志望者が提出した作品を例に、大沢在昌がさまざまな視点から講義を行っていきます。
実践的であるが故に手厳しい意見も多く、身が引き締まる思いがします。この本を読んで書き続けることへの「覚悟」が得られました。
6冊目:ミステリーの書き方
日本推理作家協会所属の東野圭吾、宮部みゆき、伊坂幸太郎、貴志祐介、有栖川有栖、阿刀田高、乙一……といった人気作家が、「ミステリーの書き方」について語ります。
それぞれの作家がそれぞれの手法で書き方を披露していき、たいへん面白くてためになる本です。
この本は今でも繰り返し読んでいますね。
7冊目:「感情」から書く脚本術
こちらも脚本についての本ですが、小説にも応用できます。やや中級者向けといった内容です。
特に重要に思えたのが「対立・葛藤」について。この本を読んだ後は、これらの感情を強く意識するようになりました。すると物語にぐっと深みが出てきたように感じました。
8冊目:書くことについて
巨匠・スティーブン・キングによる小説作法書。
序盤は作家になった経緯等の自叙伝的な内容ですが、その後は具体的なスキルや作法について書かれています。
感覚的な部分も多いものの、彼の考え方がわかりやすくまとまっており、学ぶべきことが多々あります。
9冊目:ミステリーの書き方
こちらは6冊目と同じタイトルですが、アメリカ探偵作家クラブによる本です。
多くのミステリー作家へのアンケートをもとに、それぞれの作家が己の創作法を惜しげなく開陳します。
初版が1998年なので少々古いのと、アメリカの事情に即した内容になっていますが、充分参考になり得ます。
10冊目:ベストセラーコード
最後はちょっと変わった切り口から。
AIを駆使してベストセラーのパターンを暴いた本です。テーマ、文体、プロット、キャラクターについて分析し、「売れる小説のパターン」を解説します。
こちらについては書籍レビューとして当ブログでも記事にしていますので、もしよろしければご覧ください。
まとめ
- 「物語」のつくり方入門 7つのレッスン
- 書きあぐねている人のための小説入門
- シド・フィールドの脚本術
- ベストセラー小説の書き方
- 小説講座 売れる作家の全技術
- ミステリーの書き方 (幻冬舎文庫)(日本)
- 「感情」から書く脚本術
- 書くことについて
- ミステリーの書き方 (講談社文庫)(アメリカ)
- ベストセラーコード
以上10冊を紹介しました!
当然ながらこれらの本を読んだからといって、すぐに小説が書けたり、結果が出たりというものでもありません。
しかし、あなたに合うアドバイスや指摘、作法といったものは必ずあるはず。それを作品のエッセンスにして、渾身の一作を書き上げましょう。
僕も応募を続けていますので、お互いに頑張って、良い小説を書き続けていきましょう!
※自分なりの小説の書き方を簡単に紹介するということで、当ブログ記事「【小説新人賞】登場人物、キャラクターの名前の付け方を紹介します!」でキャラの名付けについて書いていますので、もしよろしければご覧ください。