野球

メジャーの「ルール5ドラフト」日本版!「現役ドラフト」は実現する?

プロ野球選手会が「現役ドラフト」を日本野球機構(NPB)に提案したことが話題になりました。

いわゆる「飼い殺し」を防ぐ制度で、メジャーリーグで採用されている「ルール5ドラフト」がよく知られています。

「ルール5ドラフト」とは

こちらの制度はMLB規約の第5条に規定されており、「ルール5ドラフト」の名称の由来となっています。

さて、対象選手の条件ですが、メジャーリーグでは、

  • メジャー40人枠に入っていない選手
  • その中で契約時に18歳以下だった選手は入団5年以降
  • 契約時に19歳以上だった選手は入団4年以降

これらの条件に当てはまる選手が、ルール5ドラフトの対象選手となります。メジャー40人枠外、つまりマイナー契約の選手のみが獲得可能です。

獲得した翌シーズン中は、ベンチ入り25人の中に入れる必要があります。ベンチ入りさせない場合は元の球団に返すことになります。

また、獲得したチームは相手チームに移籍金を払う必要があります。3Aが50,000ドル、2Aが12,000ドル、1A以下が4,000ドルです。

下記のように、ルール5ドラフトで移籍して大活躍した選手や、このドラフトを経験して日本で活躍した選手もいます。

ルール5ドラフトで移籍した有名選手

■ヨハン・サンタナ
1999年にマーリンズに指名され、即日トレードでツインズへ移籍。

2004年、2006年にサイ・ヤング賞(その年に最もリーグで活躍した投手)を受賞する活躍。

■ジョシュ・ハミルトン
2006年にシカゴ・カブスに指名され、同日に金銭トレードによってシンシナティ・レッズに移籍。

レッズでは月間最優秀選手に選ばれるも、翌年レンジャーズに移籍。2008年に打点王、2009年にMVPを獲得。

日本で活躍した選手

■エクトル・ルナ
2003年にインディアンズ傘下からカージナルスに移籍。

2013年シーズンから中日ドラゴンズに入団し4番打者として活躍。2016年シーズンは広島東洋カープに在籍。

■D.J.ホールトン
2004年にアストロズからドジャースに移籍。

2008年からソフトバンクホークスで活躍し、2011年に最多勝を獲得。2012年~13年で読売ジャイアンツに所属。

■トニ・ブランコ
2004年にレッズからナショナルズに移籍。

2009年から中日ドラゴンズに入団して4番打者として活躍し、同年に本塁打王、打点王を獲得。2013年にはDeNAベイスターズで首位打者、打点王を獲得。2015年~16年はオリックス・バファローズ。



日本の「現役ドラフト」はどうなる?

もし実際に導入されるとなると、

  • 入団して何年目以降
  • 一軍登録日数

このあたりがプロテクト対象外選手の条件として採用されるでしょう。

そして、活躍の場を求めるための制度ですから、移籍先でも二軍漬けでは意味がありません。メジャーのように一軍登録保証は必要になってくると思います。

ただ、期待していた活躍ができなかった場合、一軍に起き続けることはリスクとなりますから、入団後の扱いをどのように決めるかが肝になってくるでしょう。

育成が得意な球団は賛成するでしょうが、育成下手な球団は難色を示すかもしれませんね。

そして何よりもこうした重要事項を決定する機関は、コミッショナー等のNPBの面々ではなく、12球団のオーナー会議という点が曲者ですね。球団ごとの思惑が一致すればいいですが、そうでなければなかなか難航しそうです。

しかしこの制度を機に、本気で育成に力を入れることになれば、球界全体のためになるので、個人的には賛成したい制度です。

下記のように過去に似た制度も実施していましたし、実現は可能と見ます。

プロ野球で行われていた過去の類似制度

・トレード会議(1970年~72年)

・セクション会議(1990年~98年頃)

それぞれプロテクト外の選手が対象。

セクション会議では90年に島田誠(日ハム)と坂口千仙(ダイエー)、91年に角盈男(日ハム)と小川淳司(ヤクルト)のトレードが成立している。

記憶に新しいケースでは、二軍漬けというわけではありませんでしたが、日本ハムファイターズの大田泰示選手は読売ジャイアンツから移籍して大ブレイクしましたね。環境が変わることで活躍する選手がいることは事実です。

まだまだ議論は始まったばかりです。当ブログでも動向を見守り、進展があれば更新していきます!

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