2018年6月16日(土)開催の「吉澤嘉代子の発表会 子供編」。
本ライブは「子供編」「大人編」を2日に分け、それぞれ違うセットリストで行うという、前代未聞的な企画。
吉澤嘉代子本人もMCで「珍しい企画」と言いつつ、「大変だからみんなやらないって分かった~」とのことで、2日にわたって40曲以上の曲を披露するのは、生半可なことではない。
だが、そのおかげで素晴らしい2日間を経験することができた。僕は両日ともに参加したので、まずは6月16日(土)のライブの模様を紹介していこう!
「吉澤嘉代子の発表会 子供編」セットリスト(セトリ)
セットリストは以下。
- 未成年の主張
- 恋愛倶楽部
- 美少女
- チョベリグ
- らりるれりん
- ブルーベリーシガレット
- ひゅー
- ユキカ
- うそつき
- なかよしグルーヴ
- 逃飛行少女
- えらばれし子供たちの密話
- キルキルキルミ
- ひょうひょう
- ラブラブ
- movie
- 泣き虫ジュゴン
- 雪
- ミューズ(アンコール)
- ひゅるリメンバー(アンコール)
「吉澤嘉代子の発表会 子供編」さらっとレポート
1曲目「未成年の主張」
子供編にふさわしい幕開け。
魔女の宅急便キキ風のいでたちで、1曲目が終わったら「魔女修行しているの」という小芝居がスタート。ここで「おお」という、自分も含む観客の心の声が聞こえた気がした。
舞台袖に犬のぬいぐるみが登場。名前は「ウィンディ」。かつて一緒に生活していた愛犬だ。
子供の頃、彼女はウィンディとしゃべれるようになると本気で信じていた。そのウィンディと会話しながらライブが進行していくことになる。
この日、吉澤嘉代子は13歳で、1,500人の前で「発表会ごっこ」をしていると明かされる。
彼女の心の中でウィンディは今も生きているし、13歳当時は確かにウィンディは生きていた。その時のやり取りが再現されているかと思えるような風景だ。
なお、「13歳」という設定は、翌日のラストへと繋がっていく。
2曲目「恋愛倶楽部」~3曲目「美少女」~4曲目「チョベリグ」
ここから衣装がセーラー服に。はっきり言って「似合っている」。エンターテインメント精神が発揮されたセレクトだ(帚星ツアーでも着ていた服っぽい?)。
5曲目「らりるれりん」
吉澤嘉代子が世に出るきっかけとなった曲。こちらのOTOTOYの記事で「もし、今夜電話するってそもそも言われていなかったら…って考えると怖いなって」と語っていたが、この日は電話がかかってきた。
もしかしたら、実際にはかかってなくて、演技をしていただけなのかもしれないけれど。
6曲目「ブルーベリーシガレット」
「好きな人は校舎の裏でたむろしている人」なの、という小芝居があり、ヤンキーふうにサングラスを着用。「夜露死苦(ヨロシク)」を連呼して、客席も「夜露死苦」コール。
レンズの向こうからメンチを切ったり、ヤンキー的なふるまいをしながら歌う。
曲の最後には恒例のシガレット投げ。結構な量を投げていた。
7曲目「ひゅー」~8曲目「ユキカ」
9曲目「うそつき」
「好きな人は女の子なの。たまたま好きになった人が女の子だっただけなの」というやり取りがあり、演奏に入る。
しっかり伏線があり、物語として成立している構成が続く。個々の曲に物語があるが、ライブ全体も物語ととらえた選曲だ。
10曲目「なかよしグルーヴ」
「女の子を好きになった」吉澤嘉代子が噂になったのか、ここで「なかよしグルーヴ」。
曲の最後で吉澤嘉代子いったん退場。バンドメンバーによるグルーヴ感あふれる演奏が続く。
11曲目「逃避行少女」
「家出をして町を出る」と言ってウィンディを置いて家出をするという、台詞の掛け合いが入る。その直後、ピンクのワンピース風ドレスで再登場。
そして、今回の観客席乱入はこの曲!(個人的には獣ツアーの「麻婆」以来)
しかもドレスに唐傘模様の風呂敷を背負って1階席後方から登場し、前方へ歩きながら歌い、そのまま左手から右手に移動、そしてステージへ。
僕は結構前の方の席にいたので、このとき、僕と吉澤嘉代子との物理的な距離は一時的に1.5メートルほどに縮まった。目は合わなかった。
曲の最後はテルミンで締め。
12曲目「えらばれし子供たちの密話」~13曲目「キルキルキルミ」
キルキルキルミの前に、家出が失敗して戻ってくる。「同じ失敗を繰り返すことだけが得意なの」という歌詞が胸に沁みる。
ここでは鉄琴(グロッケン)も披露。※ちなみにグロッケンとテルミンは合体した作りになっていて、「グロミン」と名付けているらしい(後日Twitterより)
14曲目「ひょうひょう」
失敗を受けて、ひょうひょうとしていたいの! と歌い、次の曲へ。
15曲目「ラブラブ」
椅子に座り、ピアノに合わせて歌う。良い曲はシンプルな音数になっても、心に響いてくる。
16曲目「movie」
「ずっと生きててね。そしたら、未来の私にこの手紙を渡してね」とウィンディに手渡す。この時点で、手紙の中身は明かされない。
「movie」は死んでしまったウィンディを意識して作られた曲。ちょっとマジで泣きそうになった(いや、泣いた)。
照明も幻想的で、ものすごく印象に残った。2階席や3階席の方がキレイに見えたはず。この曲だけに限らず、遠くの席の人にも楽しんでもらえるような、吉澤嘉代子なりの気配りかもしれないと思った。
17曲目「泣き虫ジュゴン」~18曲目「雪」
「movie」からの流れで、素晴らしい締めくくり。胸いっぱい状態で、言葉が出ず。
MC
「『未成年の主張』で台本いらないって言っていたけど、今日のこれ台本あるんですよね~…」とちょっと苦笑。
そして、「自分史に残るような大切な日になるでしょう」と語る。
寺岡奈津美デザインのグッズ紹介があり、新曲「ミューズ」に。
19曲目「ミューズ」(アンコール)
CDも購入したし、MVでも視聴済だったけれど、ものすごくライブ映えする曲だった。もともと良い曲だけれども、弦楽隊の存在も大きく、印象が大きく違う。ぜひライブで聴いてもらいたい。
20曲目「ひゅるリメンバー」(アンコール)
緊張した面持ちで「かなり久しぶりにやる曲」と断ったうえで演奏。
終盤歌詞の「ねえ わたしをさらってよ」は今このときを終わりたくない、というような気持ちのこもった歌い方だった。
名残惜しそうではあったが、小さく投げキッスをして退場、終幕。
「子供編」ということで、多くの子供たちも来場していた。
僕の席の斜め前にいた女の子が本当に楽しそうで、吉澤嘉代子が以前語っていた「大人は子供に楽しさを伝える義務がある。それが大人の仕事」と語っていたのを思い出した。
今日来場した子供たちにしっかり伝わっているのだなあと感じて、ジーンときてしまった。
「子供編」は子供たちが主役。もちろん大人にも子供時代はあったので、その頃の記憶を探りながら聴いていた人も多いはず。僕もまるで時計の針が巻き戻り、甘酸っぱくて切ない、それでいてどこか眩しいような、子供の頃の自分がすぐそこにいるような感覚を抱いた。
また、翌日の「大人編」では観客にスタンディングを促したのだが、この日はそれはなく、終始着席のまま。子供が多かったこともあり、スタンディングだと見えなくなってしまうので、気づかったのかもしれない。
選曲、構成、演出……すべてが「子供編」として完璧なライブだった。
「大人編」は【ライブレポート】「吉澤嘉代子の発表会 大人編」さらっとレポートを参照ください!
ちなみに、購入したグッズはこちら~。子供ピンズセット(子供編限定)、キーホルダー、ミニタオル。
※レポート内容は記憶違い等があるかもしれませんので、分かり次第修正・追記します
この日の模様は、4thアルバム「女優姉妹」の初回限定盤のDVD特典で見ることができます!