「今日の1枚」として時代・洋邦問わずに、おすすめのアルバムを紹介するこのコーナー。
今日の1枚 – Catfish and the Bottlemen『The Ride』
第4回目はCatfish and the Bottlemen(キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン)の『The Ride』(2016年)!
The Ride
カテゴリ: オルタナティブ
2007年に英・ウェールズのランディドノで結成されたインディーロックバンド。
デビューアルバム発表は2014年で、プロデューサーはアークティック・モンキーズ、カサビアン等のプロデュースを手掛けたジム・アビス。
そして今作のプロデューサーは、オアシスやノエル・ギャラガーのソロを手がけたデイヴ・サーディに替わっている。
いずれにしても、UKロックのど真ん中の本流を行く姿勢は変わらないし、それを証明するようにUKチャートで1位を獲得している。
UKロック魂を受け継ぐストレートかつ変化に富んだセカンドアルバム『The Ride』を紹介していこう!
冒頭曲は「7」。
シングルカット曲。なお、このアルバムは1曲目~3曲目がシングル曲という構成。
緩急のあるロックで幕開け。ポップテイストも感じられ、とても聴きやすい。
2曲目は「Twice」。
こちらも緩急をうまく取り入れ、ダイナミックさがある。
バンドのフロントマンであるヴァンは「たとえば、曲がブリッジに至ると、そこでドロップ・ダウンするというのを、意図的にやっている」と話している。
3曲目「Soundcheck」。
ポップでありながら、こちらも中盤から攻める流れ。巧みだ。
また、以降の曲タイトルも見ていただくとわかるとおり、単語一語ばかりだ。あっさりしているように見えるが、逆にこだわりが感じられる。これは1stアルバムからそうだ。
4曲目「Postpone」。
徐々に盛り上がりを見せる変化のあるリズムに引き込まれる。
5曲目「Anything」。
ストレートなロック。ギターソロのかっこよさもあり、ツボをおさえたメロディライン。
6曲目「Glasgow」。アコギのみで歌う静かな曲だが、浸っていたい。そう思うやいなや約2分30秒で終わり、名残惜しさを感じる。
7曲目「Oxygen」。こちらも3分以内にまとめ、引き締まった楽曲となっている。
8曲目「Emily」。2分20秒。立て続けに短い曲を繰り出してくる。アルバム全体が疾走感を持っていると感じる構成だ。
9曲目「Red」。ドラムがいい感じの主張をし、ヴァンのボーカルも情感が籠もっている。
10曲目「Heathrow」。一転して、しっとりとした曲調。
11曲目「Outside」。変化に富み、自由なメロディがラストを盛り上げるが、最後は唐突に終わる。この断絶感が、次作への期待と繋がっていくような終わり方。
全体的に高いレベルで統一されており、セカンドアルバムですでに円熟さすら感じさせる出来。きれいにまとまっているので、尖った印象はないが期待どおりの作品と言える。
ヴァン自身が野心を隠さずに、「スタジアムやアリーナを目指さないなんて意味がわからない」と上を目指すのが当然という発言をしているのも、強気だが素直でいい。
近年のUKロックシーンに間違いなく名を刻んだバンド。また、2017年のフジロックにも出演する等、日本でもおなじみになりつつあり、今後が楽しみ!
なおプロデューサーの違いもあってか、1stアルバム「The Balcony(ザ・バルコニー)」の方が若々しさが感じられ、そちらも好きという方も多いはず。いずれ紹介できればと思う。
今回はCatfish and the Bottlemen(キャットフィッシュ・アンド・ザ・ボトルメン)の『The Ride』をお届けしました。
次回もお楽しみに!
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