今日の1枚 - おすすめアルバム

今日の1枚 vol.1 – 吉澤嘉代子『魔女図鑑』(2013年)

「今日の1枚」として時代・洋邦問わずに、おすすめのアルバムを紹介するこのコーナー。

今日の1枚 – 吉澤嘉代子『魔女図鑑』

記念すべき第1回目は吉澤嘉代子『魔女図鑑』!

吉澤嘉代子は1990年、埼玉県川口市生まれ、鋳物工場育ち。ヤマハ主催「Music Revolution」でのグランプリ、オーディエンス賞のダブル受賞をきっかけに2014年メジャーデビュー。

曲ごとに確立された世界観、印象的な曲調、そして心を惹きつける歌声。『魔女図鑑』は魅力あふれるシンガーソングライター・吉澤嘉代子の原点となるインディーズ1stアルバム(2013年)だ。

1.未成年の主張

冒頭を飾るのはリード曲「未成年の主張」。

GS的なサウンドの中、可愛らしさを意識したような歌声でマイクチェックが続く。吉澤嘉代子は曲ごとに主人公を設定しているから、その人物を想定して歌っているのだ。

「好きです!」と言いながら、相手は出てこない。ひたすらマイクチェックが続く構成。

「幻影的」シンガーソングライター 吉澤嘉代子のおすすめ曲10選!でも書いたのだが、僕はこの後に訪れる「告白本番」を想像し、どきどきするのです。

2.化粧落とし

好きな人に対して、やることなすこと全てが裏目に出る主人公。ユーモラスでありながら、どこか切なさを感じさせる歌詞が上手い。

本人曰く、気をもたせられていたのに曲解して、ストーカーに変わっていく様を描いたつもりとのこと。

じつはストーカー! 吉澤嘉代子の曲は、こうした思ってもみない設定が施されていることがあり本当に面白い。

3.恥ずかしい

ずっと「恥ずかしい」を連呼し、「恥ずかしさ」を表現する言葉が続く。特に1番サビの、

あおぞらの下で丸裸にされたように ノックアウトされました

は、どきりとさせられる。

そして恥ずかしい理由は、2番のBメロで「ついた嘘はもうすべてばれていたんだって。知らないふりをしてくれていたみたいなんです」と明かされ、ハッとさせられる。

そのやさしさが心に痛い。

そこで2番のサビが、

あおぞらの下で丸裸にされたのなら まだ紛れるのに

である。1番との対比の素晴らしさに、僕はノックアウトされた。

4.らりるれりん

2010年11月、ヤマハ主催のコンテスト「The 4th Music Revolution”」JAPAN FINALに出場し、グランプリとオーディエンス賞をダブル受賞した、記念すべき曲。

当時は「ヨシザワカヨコとりんりんズ」として出場。動画はその時のものを紹介。

電話が鳴らないという歌詞なんだけれども、「そもそも電話をかける約束なんてしていない」という設定のある、それを考えるとちょっと怖い曲。

一聴して怖さの感じられない、むしろメルヘンチックな曲に仕上げる力量が見事だ。

5.泣き虫ジュゴン

ライブでも人気の曲。

詳しくは「幻影的」シンガーソングライター 吉澤嘉代子のおすすめ曲10選!でも書いたが、「水の中でなら大人でも泣いていいんだよ」という、泣くことを肯定したやさしさが垣間見える。

6.ぶらんこ乗り

ラストを飾る曲は、好きな「いしいしんじ」の本からタイトルを取ったという「ぶらんこ乗り」。

しっとりした曲調の中、ぶらんこ乗りは「手を繋いではまたはぐれて」という、永遠に続くとも思える時の流れに生きているような、文学性の高い曲だ。


これは6人の魔女がおさめられた図鑑。

それぞれの物語世界を、じっくりと味わいたい。

吉澤嘉代子が世に出るきっかけとなったこの名盤はしかし、廃盤となっている。

ただ、ファンクラブ会員向けにライブ会場で物販をしたり、クラウドファンディング等で手に入るチャンスは定期的に用意してくれるので、ほしい場合は機会を逃さないように入手しよう。

初回からいきなり廃盤を紹介してしまったわけだが、形式にとらわれずに「いい音楽」を紹介していこうと思う。

次回をお楽しみに!

『魔女図鑑』収録曲
1.未成年の主張
2.化粧落とし
3.恥ずかしい
4.らりるれりん
5.泣き虫ジュゴン
6.ぶらんこ乗り

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