ミシェル・ゴンドリーといえば、1993年にビョークの「Human Behaviour(ヒューマン・ビヘイビア)」のPVで脚光を浴びた映像作家。現在では主に映画監督として活躍している。
音楽の映像作品は、ビョークはもちろん、ローリング・ストーンズ、ケミカル・ブラザーズ、レディオヘッド、ベック、ホワイト・ストライプスといった大物アーティストのPVやMVを数多く手がけている。
僕は好きなアーティストを通じて以前から彼の作品を知っており、独特でニヤリとさせらせるその世界には唸らせられるばかり。
そんな素晴らしい映像作品を、いくつか紹介していきます!
Bjork(ビョーク)
こちらが話題になった「Human Behaviour(1993年)」。
シュガーキューブス解散後、2作目となるビョークのソロ名義作「デビュー」の冒頭を飾る曲(この記事のアイキャッチ画像は「デビュー」のジャケットです)。
ビョークとクマによる不思議なストーリーが展開されていく。おどろおどろしい感じなのに、どこかほのぼとした雰囲気を漂わせている。
「ビョークと森」という組み合わせもイメージにぴったりだ。
もう一作、「Bachelorette(1997年)」。
本がベストセラーとなり(それも実際に書いているのかもわからないような)、一夜にしてスターになってしまうビョーク。
人生に翻弄される様子が、これほどまでに評価されるビョーク自身の困惑を表しているようにも思える。
The Chemical Brothers(ケミカル・ブラザーズ)
ケミカル・ブラザーズの「Let Forever Be(1999年)」。
万華鏡の世界に入り込んでしまったような映像は、とっても楽しい。次はどうなるの?というわくわく感に魅入ってしまう。
「Star Guitar(2002年)」は、音楽のリズムと映像中の建物などが合っているというスゴイ作品。
「Go(2015年)」。
奇妙な格好をした女性たちが、棒を持って行進していく。一糸乱れぬ動きは、ある種の爽快感すらある。
The White Stripes(ホワイト・ストライプス)
ホワイト・ストライプスからは「Fell in Love with a Girl(2002年)」。
レゴである。とにかくレゴである!
Beck(ベック)
ベックの「Deadweight」。
奇妙~な世界が展開されているのだけれど、最後に繋がる。このオチは予想できなかった。
Foo Fighters(フー・ファイターズ)
ニルヴァーナの元ドラマーであるデイヴ・グロールによるバンド「フー・ファイターズ」から「Everlong」。
こちらもどんどん変な世界に入り込んでいく。妙な大道具が多いのもミシェル・ゴンドリーの特徴のひとつだ。
Kylie Minogue(カイリー・ミノーグ)
カイリー・ミノーグの「Come Into My World(2002年)」。
「増殖」と「繰り返し」。「増殖」と「繰り返し」。「増殖」と……。
The Vines(ザ・ヴァインズ)
The Vinesの「Ride(2005年)」。サビで一気に体育館にいる人が増える衝撃。
Devendra Banhart(デヴェンドラ・バンハート)
オルタナティブ・フォークシンガーであるデヴェンドラ・バンハートの「A Ribbon(2005年)」を。
タイトルどおり、リボンが主役である。何を言っているかよくわからないと思うが、見ていただければわかる。
このリボンはどこに向かっていくのか……?
Cibo Matto(チボ・マット)
本田ゆかと羽鳥美保によるユニット、Cibo Mattoの「Sugar Water(1996年)」。当時、めちゃ聴いていた。
巻き戻しを使って二人の動きを表現。気持ちよさそうに起床した二人は最後にどうなる……?
奇妙な世界を描く独特な世界観に、不思議な感覚にとらわれる人も多いのではないか。
映像作家から思わぬアーティストにたどり着く場合があるので、そういった音楽の聴き方も面白いかもしれない。
そして、彼の作品をDVDに収めた「DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION」があり、そちらにはインタビュー、ショートフィルム、CM作品等も収録されている。彼の考えを覗き見るチャンス。実にオススメです。