1980年代の邦楽シーンは歌謡曲全盛期。多感な時期にそんな10年間を過ごした身としては、取り上げずにはいられません!
今も新しくて素晴らしい音楽をたくさん聴いていますが、その積み重ねの始まりがこの頃の音楽です。
というわけで、1980年代の邦楽シーンを振り返ってみたいと思います。
前回の第5回は「【80’s】1980年代ヒット曲~第4回 1983年の邦楽ベスト10~」として紹介しました。
第5回は「1984年」です!
当時のレコードの売上からベスト10を選出しました。それではさっそく10位から見ていきましょう。プレイバック!
1984年のヒット曲ベスト10
第10位:「サザン・ウインド」中森明菜
作詞:来生えつこ、作曲:玉置浩二。売上は約54.4万枚。
タイトルどおり、南国での一場面を切り取ったような歌詞。大人っぽい女性の視点から見た、男たちの描写が素晴らしいですね。
作曲・玉置浩二の曲調も相まって、青い空と白い雲、そして輝く海、といった風景が目に浮かぶようです。
第9位:「北ウイング」中森明菜
作詞:康珍化、作曲:林哲司。売上は約56.8万枚。
中森明菜が続きます!
冒頭にサビを持ってきて、一気に曲の世界に誘います。Love is The Mystery、というミステリアスな夜間飛行は、ちょっと不安な心の内を表しているように思えますね。
なお、「北ウイング」とは成田国際空港(当時の呼称は新東京国際空港)の第1ターミナル北部分の呼び名です。
第8位「星屑のステージ」チェッカーズ
作詞:売野雅勇、作曲:芹澤廣明。売上は約57.6万枚。
沈んだ曲調ですが、愛する人を亡くした悲しみがじわりと伝わってくる良曲。
表題曲はTBS系連続ドラマ「うちの子にかぎって…」主題歌で、自分も気に入ってよく聴いていました。チェッカーズ、結構好きだったんですよね~。
第7位:「娘よ」芦屋雁之助
作詞:鳥井実、作曲:池多孝春。売上は約58.1万枚。
喜劇俳優の芦屋雁之助の楽曲。
結婚する娘に対する父親の心情を歌ったもの。当時の父親たちから、多くの共感を呼んだようですね。じわじわと売れ続けるパターンで、最終的に100万枚以上を売り上げています。
第6位:「十戒」中森明菜
作詞:売野雅勇、作曲:高中正義。売上は約60.9万枚。
なんとベスト10のうち、3作がランクイン。
「弱い男性」への苛立ちを、ズバッと言い切る表現が秀逸。
しかし、「坊や イライラするわ」という締めの台詞の前には、「はっぱかけたげる」と奮い立たせるような言葉があり、厳しい態度を貫きながら、優しさが根底に流れているように思えるのもまた確かなのです。
第5位:「哀しくてジェラシー」チェッカーズ
作詞:売野雅勇、作曲:芹澤廣明。売上は約65.8万枚。
「an han han」を多用する歌詞が、嫉妬を抱く感情をよく表していると思います。
自分は当時まだ小学生でしたので、男女の心の機微などわかるはずもなかったのですが、どこかわかったような気になって聴いていたのを覚えています。
第4位:「涙のリクエスト」チェッカーズ
作詞:売野雅勇、作曲:芹澤廣明。売上は約66.8万枚。
チェッカーズもベスト10のうち、3作がランクインです!
この曲も好きでよく聴いていましたね~。歌詞の意味はよくわかっていなかったですけど、失恋した際にラジオへ曲をリクエストするという、当時の若者の心理をよく表現していると思います。
ちなみに「ミッドナイトDJ」のモデルは「オールナイトニッポン」の初代DJ・糸居五郎アナウンサーとのこと。
第3位:「Rock’n Rouge」松田聖子
作詞:松本隆、作曲:呉田軽穂。売上は約67.4万枚。
タイトルにロックとありますが、かなりポップスな曲調。春めいたアップテンポなナンバーで良いと思います。
サビの「pure pure lips」が印象的な歌詞ですが、CMソングとして制作依頼が来ていたため、カネボウ側から「pure pure lips」というフレーズをサビに含むという制約が課されていて、松本隆は苦慮したそうです。
それでもこのフレーズをサビの冒頭で決めるのは、さすが松本隆ですね。
2位:「ワインレッドの心」安全地帯
作詞:井上陽水、作曲:玉置浩二。売上は約69.6万枚。
非常に濃密で大人のムード漂うメロディ。
作詞は井上陽水で、「あの消えそうに燃えそうなワインレッドの心」というフレーズが、はかなくも危険な香りを放っています。
当時自分は玉置浩二の髪型を真似ていました…。
第1位:「もしも明日が…。」わらべ
作詞:荒木とよひさ、作曲:三木たかし。売上は約97万枚。
わらべの2枚目のシングルが1位に輝きました!
テレビ朝日系『欽ちゃんのどこまでやるの!?』挿入歌でもあり、懐かしく優しい曲調が印象的。
「もしも」の先にはすべて「愛する人」がいます。そんな愛しい人に対する愛情があふれでた歌詞に、心が温まります。
以上、1984年の年間ベストソングを紹介しました! この時代を表す名曲が目白押しというランキングでした。
リアルタイムで聴いていて当時を思い出した人、生まれる前の曲だけど新鮮さを感じた人……いろいろな方がいると思います。
年代ごとの一覧は、【80’s】1980年代ヒット曲~邦楽ベスト10まとめ~としてまとめていますので、さらなるタイムスリップを経験したい方はぜひご覧ください。
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それでは、次回(1985年)をお楽しみに!