「暖かい」と「温かい」
春が近づき、気温が高くなってくると、「あたたか~い」って思わず伸びをしたくなっちゃうもの。
でもこの場合の漢字って、「暖かい」「温かい」のどっちなの?
日本語って同じ音でも違う漢字を当てるだけではなく、意味も似かよっているものがとても多い。
僕はふだん小説を書いているのだけれども、漢字の表記で迷う場面が少なからずある。
そんな漢字の使い分けや違いを解説するこの記事。今回は「暖かい」と「温かい」について説明いたします!
「暖かい」の意味、正確な使い方
「暖かい」の「暖」には「日」の偏が入っているように、
気候
についての「あたたかさ」を表している。
気候なので、全身を包み込むあたたかさ。そういう時に「暖かい」を使用。
また、「直接触らないのにあたたかい」。この場合も「暖かい」。
それでは例文。
- 今日はとても暖かい日だ。
- 部屋に入ると、ほっとするほどの暖かさだった。
- 暖かい服を着てきた。
- 暖かい布団に入ったら眠くなってきた。
- 暖かい色調のカーテンを買った。
- 今日は懐が暖かい。
全身がほっとするような「あたたかさ」。
だから、冒頭の「春になってあたたかい」は「暖かい」ということですね!
「温かい」の意味、正確な使い方
一方、「温かい」はどうだろう。
これは、
直接触ってあたたかいもの
ということになる。
気候が全身なら、こちらは「体の一部」と覚えよう。「心」も体の一部と考える。
それでは例文。
- 温かいご飯がおいしすぎる。
- 温かいお風呂であったまる。
- 温かいもてなしを受けた。
- 温かい言葉をもらった。
- 温かい心になる。
- 温かい気持ちになる。
- 彼は温かい人だ。
体の一部や心で感じる「あたたかさ」。
ということですね!
「暖かい」「温かい」の間違えない使い方
それでも迷ってしまうもの。
簡単な覚え方があるので、お教えしよう!
反対語に置き換える
反対の言葉をあてはめてみる。
です。では、反対の言葉とは何か。
「暖かい」←→「寒い」
「温かい」←→「冷たい」
と覚えよう。
もし「ご飯」に「暖かい」を使うと、その反対は「寒いご飯」。
おかしいですね~。「冷たいご飯」が正しいので、この場合は「温かい」になる。
もし使うときに迷ったら、それぞれの反対語を思い浮かべて当てはめてみよう!
類義語に置き換える
そしてもうひとつは、類義語を当てはめてみるです。
「暖かい」≑「暑い」
「温かい」≑「熱い」
つまり、「暑いスープ」というのは違和感がある。
正しくは「熱いスープ」なので、「あたたかい」を使う場合は「温かい」になるのだ。
こういった類義語からの使い分けもあるので、迷ったらこちらも試してみよう。
「暖かい」「温かい」の違いまとめ
・「暖かい」は全身で感じるあたたかさ
・「温かい」は体の一部で感じるあたたかさ
・反対語に置き換える
・類義語に置き換える
言葉は直接相手に響くもの。ぜひ「あたたかい」言葉づかいを心がけましょう!