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埼玉「ディス→愛」漫画『翔んで埼玉』感想、レビュー!紛れもない埼玉愛だ

2019年2月22日に公開の映画『翔んで埼玉』が、二階堂ふみとGACKTが主演を演じるということで話題です。

その原作となった漫画『翔んで埼玉』は、『パタリロ!』などで知られる漫画家・魔夜峰央(まや・みねお)が、1982年~1983年に白泉社の『花とゆめ』別冊に連載していた作品です。

この作品がスポットを浴びたのは、その徹底的な「埼玉をディスる」という姿勢。当時埼玉の所沢市に住んでいた魔夜峰央が、東京から差別される埼玉をこれでもかと描写し続けます。

その内容は若干引いてしまうほどですが、読み進めるうちに、「これは究極の埼玉愛…そして人類愛ではないか」と感じられるようになっていきます。

※一部、イメージを伝えるために作中画像を引用していますが、すべての権利は制作者に帰属します

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『翔んで埼玉』あらすじ

埼玉県民は東京都民からひどい迫害を受け、身をひそめて暮らしていた。

ある日、東京でトップの高校・白鵬堂学院の生徒会長で東京都知事の息子・白鵬堂百美(はくほうどうももみ)は、容姿端麗なアメリカ帰りの謎の転校生・麻実麗(あさみれい)と出会う。

百美は麗に惹かれるが、埼玉県出身だったと知る。東京と埼玉の県境で引き裂かれる2人。まさに埼玉版「ロミオとジュリエット」とも呼べる愛の逃避行。

その中で埼玉県解放を成し遂げるべく戦いを挑んだ者たちの革命の物語である。

あらすじを読んだだけでも、結構ぶっ飛んでいます。

こちらが主人公の麻実麗。魔夜節全開!

そして白鵬堂百美。両者ともに背景が薔薇です。

主要人物のビジュアル紹介も終わりましたので、それではネタバレレビューにいってみましょう。



『翔んで埼玉』感想、レビュー

埼玉をディスる名言・迷言

とにかく埼玉は東京都民からディスられ……というより迫害を受けているわけですが、その描写は徹底的です。

「埼玉狩りだー! しょっぴけ! 百たたきの上、埼玉へ強制送還だ!」
「消毒しますから、下がってください」

東京都に踏み込んだ埼玉県民は狩られ、百たたきのうえ、埼玉に強制送還。さらにその場を消毒……。

「ああいやだ! 埼玉なんて言っているだけで口が埼玉になるわ!」

口が埼玉になる! 自分は埼玉県民ではないですが、なんか悔しいです!

「そこらへんの草でも食わせておけ! 埼玉県民ならそれで治る!」

これは百美の発言ですが、序盤では埼玉への意識はこのようなものでした。

このような具合に、埼玉をこれでもかと蔑みます。

埼玉愛への変化

しかしこうした数々の迫害の様子が、埼玉民に共感を覚え、必ずや埼玉解放を果たしてほしいという気持ちにさせます。

当初は麗を憎んでいた百美が、好きになった後に麗が埼玉県民だとわかってしまうという設定も良く、それによって百美の葛藤が自分事のように感じられるのです。

こうした読者の心境の変化は、埼玉愛への変化とも言え、作者・魔夜峰央の埼玉への愛が根底に流れているのだと僕は受け取りました。

差別の連鎖

東京が埼玉を差別するという構図ですが、途中で埼玉以上に虐げられている「茨城県」が登場します。

これは差別の連鎖であり、差別される者がさらに弱者を見つけて差別をするという、やりきれなさすら感じさせます。

もちろん差別は良くないことなんですが、この連鎖に「差別の事実」を突きつけられているような、そんな気分になりました。

埼玉解放の暁には茨城県はどうなるのか、作中では明らかになっていませんが、茨城も解放されると良いなと切に願います(いや、マジで。だってすごい描写なんですから!)。

同性を好きになるということ

『パタリロ』でもそうなのですが、魔夜峰央作品に特有の美男子×美男子はこの短い作品の中でも発揮されています。

百美が麗を好きになったのは、「突然のキス」。麗にとっては挨拶がわりのキスでしたが、百美はこの瞬間に恋に落ちてしまいます。このシーンは読んでいてドキッとしました。

いやらしさなどはなく、すがすがしさが溢れる2人の関係。人が人を愛するのに性は重要な問題ではないということを、さらりと描いている魔夜峰央の力量には感嘆するばかりです。

埼玉を差別していた百美ですが、麗に惹かれた後はこんないじらしい発言も。ここではさらに、人が人を愛するのに生まれは重要な問題ではないということを教えてくれています。

彼らの行く末は?

この恋の行方は……? 埼玉解放運動の行く末は……?

実際には本作を読んでいただきたいですが、作者の魔夜峰央が埼玉から神奈川に引っ越したため、この作品の続きが描かれることはありませんでした。

魔夜峰央は続きを描かなかった理由を、こう述べています。

「でも、作品は3話で終了しました。所沢から横浜に引っ越したためです。住んでいない土地のことをちゃかすことはできませんから」と。「女性自身インタビュー」より)


以上、『翔んで埼玉』の感想、レビューを紹介しました。

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