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『夢中さ、きみに。』ネタバレなしレビュー~飄々と描く高校生の非日常的な日常

pixivやSNS等で話題の『夢中さ、きみに。』(和山やま・作)を読んだ! 以下ネタバレなしレビュー。(Ⓒエンターブレイン)

Twitterでタイムラインに流れてきた「友達になってくれませんか」を読んで気に入って、こちらの作品を知った。こういう出会いがあるから、SNSはやめられない。

※TLに流れてきたのは、和山氏によるこちらの投稿です

『夢中さ、きみに。』は、くだんの「友達になってくれませんか」を含む短編8作を収録。前半4作が「林」、後半4作は「二階堂」が主人公と言っていいだろう(後半は「うしろの二階堂」シリーズとして、明確にうたわれている)。

細めの線でかかれた絵が、バツグンにうまいと思う。このタッチで、高校生の日常に起こる非日常を飄々と描いており、独特のテンポも心地よい。

林、二階堂ともに、いわゆる「変人」の類だ。そんな彼らにかかわる、ちょっと個性的?な男子生徒、女子生徒たちが、彼らの特殊性を浮き上がらせるのに一役買っている。

二人ともどこかひねくれているけれど、人とのコミュニケーションは根本的に嫌いではないようだ。いや、むしろ好きなのかもしれない。

ほんのささいなことが一大事に感じられる、高校生という多感な世代。そのたった三年間という、若くて青い時間の中、彼らは彼らなりに生きている。そうした生きざまのようなものが、飄々としていながらもくっきりと形作られている。

林と二階堂。高校時代にこんな同級生がいたら、きっと気になっちゃうだろうな。それこそ、「夢中さ、きみに。」という状態になってしまうほどに。

Kindle版もありますよ。

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